サクセサーズ
もう一度後ろを振り向いた。さっきの黒い影の塵が今度は一つになろうとしていた。



「い、一体何!?」




ジルは身構えて剣を鞘から引き抜き、影を再び切り裂いた。しかし、さっきのようにバラバラにはならず、一つに集まって行く。




「あ、あ、あぁあ…」


「何なんだ…あれは」




2人の視線の先には、黒い影があった。影は女性の形を形成しはじめた。かさかさと不気味な音と、身の毛もよだつような気配。呆然と眺めている間に完全に影ではなく、本物の女性がそこに立っていた。
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