サクセサーズ
闇に包まれたのだろうか。リリィは暫くして目を静かに開けると、暖かな白いオーラが自分とアレンを包んでいるのに気がついた。



「リリィ…婆さんからもらった髪留めが光ってる」



リリィは驚いて、髪留めを外してみるとキラキラと眩く輝いている。これが、このオーラを放っているのだろうか。



「関心してる暇はないリリィ！グリンで目を眩ませるんだ！」



アレンの言葉に反応して、すぐに髪留めを付けると魔法を詠唱しはじめた。



「グリン！！」



ピカッとその場がまばゆい位に光り輝き二人はその隙に祠まで走り去った。鉛のように重かった身体は白いオーラに包まれていたおかげで軽くなった。必死に走り、女性の姿は見えなくなっていた。





女性は追いかけようとはしなかった。むしろ、なかなかやるじゃなぁいと含み笑いをしていた。



「運はあるみたいねぇ…まあいいわぁ。この闇の力は人を操れる。どこまであの娘がそれに耐えられるか観察しなきゃねぇ」



そう言うと、黒いオーラが彼女を包み込んで地面に消えて行った。
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