サクセサーズ
砂漠の国
魔法陣をくぐると、視界は暗い祠の中とは変わって一面の青空と砂の大地が広がっていた。照りつける太陽と熱気。さっきいた冬山とは打って変わる環境だった。



足元の魔法陣は消えて、その場に二人は立ち尽くしていた。




「う、うう…ここがジスト帝国?」



嗚咽混じりの声でリリィはアレンに問いかけた。アレンはそうだと言った。



「多分、ここは城下町から離れた場所だろう。今日は、少し休もう。色々あって疲れただろう」



アレンがリリィにかけられる精一杯の言葉だった。リリィはうんと頷いて、アレンに連れられて城下町を目指した。
< 96 / 212 >

この作品をシェア

pagetop