bad day but…
な、んで…
唇が離れた直後、思わず漏れた言葉だった
「井上が…、咲乃が、
…悲しそうだったから」
少し眉を下げて話す君
意味、わかんない…
また口が勝手に動いた。
「咲乃が悲しそうな顔するのは嫌なんだよ、
俺は、その……、咲乃が好き、だから」
人の気持ちはなんて単純なんだろう。
頬を伝う涙は
嬉しさが溢れるものに変わっていた。
「こんな惨めでボロボロな私でも…?」
もちろん
と、君はほほえむ。
「咲乃が自分をどう思っていようと、
俺が好きな咲乃に変わりはないから」