君の絵を描かせてくれ。
「何、泣いてんだよ。てか、そこ俺の場所だから。」
え。
不意に聴こえたその声に顔を上げる。
『……………うぅー。』
紛れもなくそこにはいつものモッズコートを着た、真幸さんが立っていた。
『真幸さぁん!!』
ガバッ
私は勢いよく抱きついた。
『ずっと待ってたのにぃー………。』
黙って私の頭を撫でている。
私が落ち着くまで、しばらくそうしていてくれた。
「悪かったよ。つーか、コートが涙でグチャグチャじゃねーか。俺がこれしか持ってないこと知ってんだろ。」
『ごめんなさい……。』
恥ずかしくて顔が上げれない。
「お前さぁ、一緒に……韓国行かない?」
……へっ!?
その言葉にびっくりして、顔を上げた。
「ははっ。ブッサイクだな〜。」
『か、韓国って!?何で!?』