君の絵を描かせてくれ。
数日後、探偵さんから連絡がきた。
「人探しの方はまだなんだけど、とりあえずこっちを先に。はい。」
『桜庭 真莉羽に関する 調査報告書』
もう一つ頼んでいたこととはこれ。
本当の親なんて関係ないとは言ったものの、やっぱり少し気なってしまって。
もちろん知ったからって、会いに行ったりするつもりはない。
『ありがとうございます!』
パラパラ
あ、これか。
夫 故・羽田 真一
妻 故・羽田 莉華
息子 一人
亡くなってるのか……
羽田……真幸さんと一緒だな。
資料によると、
羽田家は小さな工場を経営していた。
しかし、その工場が倒産。多額の借金をかかえることになってしまった。
そのころ調度、私が産まれた。
でも、私を育てていく余裕はなく、仕方なく私を手離したみたい。
そうだったんだ。仕方なかったんだね。
私の幸せを願ってのことだったんだ。
おかげで私は良い家族に出会って、元気に過ごしてる。