君の絵を描かせてくれ。
「はい。」
『ありがとう。』
あったかいゆず茶を淹れてくれた。
なんて渋いチョイス。
「なんで、ここがわかった。」
『プロに調べてもらったので。』
「よくそんな金あったな。」
『そこは、学生という立場を利用しまして……値切った。』
「ふっ。さすがですね、お嬢さん。」
「どうした?」
『……お墓参り行った。』
「……そこまで調べたのか。」
『ううん。パスポート作る時に戸籍謄本見たら、自分が養子だったことがわかっちゃって。それで気になってついでに自分のことも調べてもらったの。
それでお墓参りに行ったら……。』
「スケッチブックがあったと。」
『はい………。』