君の絵を描かせてくれ。





「なぁ。一緒に暮らさないか?」







『え?』






「……結婚したり、子供をもうけることができないのはわかってる。でも、そんなのなくても俺はお前と一緒にいられて、この気持ちがあれば十分だ。」






『……。』






「それぐらい俺は真莉羽を………

愛してるよ。」







「お前の女性としての幸せを奪ってしまうのは重々承知で言ってる。
真莉羽にも同じ覚悟があるなら、
……一緒に生きていこう。」













『少し、考えさせて下さい……。』








そんな、大切なことすぐに答えは出せない。






お父さん、お母さん、今まで支えてくれたすべての人を裏切り、失うことになる。










真幸さんを失いたくない自分もいる。

血が繋がっていても、19年間知らずに一度も会うことのなかった人。
私にとっては、1人の男性。
好きになってしまった今、兄だと言われても、急にその想いを消せるわけがない。














モラルか愛か。



私は……どうしたいんだろう。



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