君の絵を描かせてくれ。
「最後に、これだけ受け取って?」
そう言って、私に封筒を渡した。
「後で見て。」
『……うん。』
「じゃあな。2度と来るなよ。」
『うん……。
お兄ちゃん。元気でね!』
私はアパートを後にした。
私は1度も振り返らなかった。
出会わなければよかった?
その答えは、NOだ。
人を愛する幸せを教えてくれた。
愛される喜びを知った。
私をあんなに綺麗に描いてくれるのは、
世界中でただ1人、あなただけ。