君の絵を描かせてくれ。
可愛く描くから。
次の日も私は学校帰りにおじさんのところへ向かう。
「また来たんかよ。」
『来なくていいって言われると逆に来たくなっちゃうタチなんで!』
「そりゃ、誤算だったわ。」
ふふん♪
『ねぇ〜!何描いてんの〜?』
私は覗き込もうとした。すると、
バッ
「見せるわけねぇだろ。」
チェッ!隠された!
『ケチ〜!』
べっー!
「俺の絵を見ようなんてな、100万年早い!」
どんだけお偉い絵描きさんなんだよ!
私はおじさんの前にしゃがみ込んだ。
『おじさんって、絵だけで生活してんの?』
「まぁ、食える程度にはなー。」
『食える程度か。いつも同じような格好してるもんね。』
「ほっとけ。」
苦労してそうだもんな〜。
おじさん見てると大人になるのが怖くなるな。