君の絵を描かせてくれ。
「君の絵を描かせてくれ。」
私が考えごとをしていると、おじさんは突然そう言った。
『え?おじさん、周りよく見てみなよ!
綺麗な子ならたくさんいるよ!なんで私なの?怪しい!そんなこと言って、変なところ連れ込んで、あんなことやこんなことしようとしてるんだ!』
「バカか!俺はそんな趣味ねぇわ!ガキに興味はないから安心しろ。」
『じゃあ、何で!』
「綺麗さとか求めてない。君のようなハイジみたいな感じがいい。」
『……………。』
なんだろう、この全く褒められてる気がしない感じは。
「ゆえに、君に頼んでる。」
『……おじさん、バカにしてるよね。』
「してない、してない。褒めてる。」
どこが!それで褒めてるとしたら、褒めるセンスなさ過ぎでしょーが!
「可愛く描くから。約束する。」
おじさんは初めてまともに私の目を見てそう言った。
私は不覚にもそれにドキッとしてしまい、ついつい
『ご自由にどうぞ!』
なんて言ってしまったんだ。