俺様魔王の甘い口づけ
―誰も信用するな。信じられるものは自分だけだ
―お前は、この魔界の頂点に立つ男なのだから
男の声が響くたび、純真な少年の心が黒く染まっていくような気がする。
やめて、こんな幼い子供の心を…。
私の言葉なんて、届かない。
―わかっているのか、100年の節目、お前が魔王になる時には……
そこで男の声が消えた。
100年の節目?
いったい、その時になにがあるというの?
少年も、ひどく悲しい顔をして消えていった。
魔王になる…?
あの少年はいったい……。