俺様魔王の甘い口づけ
それにしても、あの夢はなんだったんだろう。
私の妄想が作り出したもの?
あの漆黒の髪と瞳の少年…そうだ、ルイに似ているんだ。
ルイの事考えてたから頭の中で作り出してしまったんだろうか。
でも、100年の節目とか、魔王になる時にとか、よくわからないことを言っていた。
関係、ないよね?
ただの夢なんだから。
「今日は、俺、エドワード様に報告をしに行かなくちゃいけないからもう少ししたら家を空けるね」
「あ、うん。行ってらっしゃい」
「ウィンリーの事、頼めるかな?」
「うん。任せて」
だからこんなにも早く着替えも済ませているんだ。
なんか、皆いろいろと役目があって忙しそうなのに、私だけすることもなく手持無沙汰だ。
それは、当然の事なんだけど、少し寂しい。
レオが行ったら、少しだけこの村を散策しようかな。
この世界の人たちの暮らしを少し見てみたい。
「あ、あの森には近づいたらだめだからな。人間の女を浚おうと様子を見ている魔物がいるから」
「うん。わかってる」