俺様魔王の甘い口づけ



「お、おやめ…下さい」

「俺に指図するな」


刺すような声。
男の子長い指が女の人に伸び、女の人の顎に手をかける。
グイッと手を引き、首筋を露わにさせると、その男はそこに噛み付くように口をつけた。


「あっ…‼︎」


小さく声を上げた後、女の人は声を上げることなく。
最初は抵抗するためにあげていた手も途中で力をなくしだらんと落とした。


なに…?

体が、細くなっていっている気がする…。


血を、吸われている?
そう思った瞬間、私の背筋を冷たいものが走る。




「ルイ様」


いつの間にそこにいたんだろう。
銀髪のこれまた長身の執事のような格好をしてそこに佇む男。
その男が、女の人に吸い付く男を制する。



「しまった。吸いすぎたか」

「ええ。もう死んでおります」



死…………?
ルイと呼ばれた男から離された女の人はぐたりとその場に倒れている。
血が抜かれ、薄っぺらくなってしまったように見える。


気持ちが、悪い……。



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