俺様魔王の甘い口づけ
レオに連れられ城に向かう。
頼まれて、断れなかった。
城に着くまでにレオが教えてくれた。
この国はキアヌ王国といい、人間界はその一国が取りまとめているらしい。
その中でもいろいろな村や町が栄えているんだけど、その国の王様がエドワード王なんだって。
そのエドワード王が私に会いたいと言っているらしい。
「魔王に捕らわれていたにも関わらず、傷一つなく生きていたと話したら、その人間に会ってみたいと申されたんだ」
「…傷一つって…一応私も血、吸われたことあるよ?」
「そうなのか?でも、ならなんで無事で…?」
「私が突き飛ばして引っ叩いたから」
「…すごいな」
レオは目を丸くする。
やっぱり、すごいことなんだ。
確かに、あのルイに反抗する勇気がよくあったなと自分でも思うけど。
なんとなく、不器用な悪魔なんだと気付いたら、ただ怖いだけの存在ではなくなったような気がするんだ。
「エドワード様は、とてもいいお方だから、安心して」
「うん…」
魔界を統一する魔王と、人間界を統一する王様。
人間界の王様は、いったいどんな人なんだろう。
そして、私になんの用だろう。
少し緊張しながら足を進めた。