俺様魔王の甘い口づけ
近づく二人
この気持ちは
「ルイ!」
ルイの名を呼ぶ。
階段を登っていたルイが立ち止まる。
「わっ、あ!」
息を切らせながら階段を登っていた私は、足が上がりきらず段差につまずく。
地面が近づいてくる!
そんな私の腕を掴んだのは、ルイ。
呆れた顔をして私を抱き起こした。
「なんだ、騒がしいな」
「ルイ、ごめん。ありがとう」
「だったら慌てるな」
「違う、今の事もだけど、今までの事…」
心のどこかで思ってたのかもしれない。
ルイが変わるわけないって。
だから、レオにああ言われても絶対そんなことないって思った。
ルイを変えたいと願ってた私が、信じられてなかったんだ。
「これから、よろしくね」
「ふん、後悔しても知らんぞ」
「そうだね。でも、私ルイの事信じてるから」
信じよう。
ルイの事を。
変わり始めた、ルイの心を。