俺様魔王の甘い口づけ
「言っただろう。俺が死んで喜ぶ者の方が多い。たとえ、芽衣子が悲しんでくれたとしてもだ」
「ルイ…」
力なく、ルイがそう言う。
力が弱まってきているんだ。
顔色が悪く見えたのだって、見間違いじゃない。
ルイは、このまま死んでもいいって思ってるの?
「お前に…最後に出会えて、よかったと思っている」
「なに言ってるの」
「もう…誰も愛せないと…誰も愛さないと思っていたのに…。お前は、俺の心にズカズカと入ってきた」
なにを、言っているの。
まるで最後みたいに。
なんで諦めてるの?
今までの、強気で冷酷で俺様なルイはどこに行ったのよ。
「俺に、たてつく人間など、…もういないと思っていたのに…」
ルイの手が、私の頬に伸びた。
「お前に、出会えてよかった…」
そんなこと、言わないで。
死を、覚悟したみたいに。