俺様魔王の甘い口づけ

僕じゃなくて、ペットです!




暇。
暇、暇、暇!



ということで、私は今暇を持て余している。
魔王であるルイはいろいろと忙しいらしいけれど、ただの居候である私にはそんな仕事なんてものはなく。

時々呼び出されてルイに血を求められるままに与えている、いわば本当に食料のようなものだ。


最初躊躇っていたルイだったけど、この前の“お前は、俺の物だ”発言以来、どこか吹っ切れたのか躊躇うことなく私の血を吸っている。
しかも、ものすごく面倒なのがいちいち血を吸う動作が色っぽいのだ。
こっちの心臓が持たないからやめてほしい。




「芽衣子さま、ルイさまがお呼びです」

「あ、はーい」



また呼び出しがかかった。
暇を持て余していた私にはいいタイミングだ。

もちろん、血を吸われることを喜んでいるわけじゃない。
そんな変態な趣味はないからね!





「ルイ」

「ああ、来たか」




ルイの部屋を訪ねると、ルイはソファに座り本を読んでいた。
うん、様になっている。
つくづく整った顔をしている。

あんな顔に迫られたら、きっと世の女性はイチコロだろう。
“魔王”という恐ろしい称号がきっとこの世界ではそうはさせていないんだろうな。


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