俺様魔王の甘い口づけ
「珍しいですね。それは獣型の悪魔ですよ」
「え、ええ!?悪魔なの?」
こんな可愛らしい風貌で、悪魔なんだ。
姿はお猿さん。
でも背中には羽が生えていて、そしてその尻尾はなぜか二本。
くりくりっとした瞳が私を見上げる。
悪魔でも、可愛い…!
「か、可愛い!」
「可愛い…?これがか?」
「ルイにはわからないの?この可愛さが!」
そう叫ぶと、ルイは怪訝そうな顔をする。
いいよ、わかってもらえなくても。
「ねえ、お城に連れて帰ってもいい?」
「は?僕にでもするつもりか?」
「バ、バカ!僕じゃないわよ!ペットです!」
飼うっていう概念はないんだろうか。
というより、悪魔って飼えるものなの?
「勝手にするといいが、後悔しても知らんぞ」
「後悔?なんで?こんなにかわいいのに」
「…どうでもいいが俺は帰る」
ルイはそう言うと本当に踵を返し消えていった。