俺様魔王の甘い口づけ



ゆっくりと覚醒していく。
ぱちぱちと瞬きをした先、目の前に見慣れない人物が目に入った。



人…?




「は!?」




慌てて身体を起こす。
誰!?

私の隣に眠る、栗色のパーマがかった髪。
すらっと余計な肉のついていないきゃしゃな体の男の子。
しかも、パンツ一丁の格好で…。



なんで私のベッドで寝てるの!?





「ちょ、ちょっと!」

「ん?…うーん…もうちょっと寝せてよー」




寝ぼけ眼で体をよじる男の子を構わず引っ叩く。




「いてっ!な、なに?ちょっと、めーちゃん!?」

「ちょっと!あんた誰!?なんで私の部屋にいるのよ!」




テンパりながらそう叫ぶ。
眠そうに頭をかきながら大きく欠伸を一つ。
なんでそんな呑気そうなのよ!





「なんでって…、めーちゃんが俺をベッドに入れたんじゃん」





< 161 / 425 >

この作品をシェア

pagetop