俺様魔王の甘い口づけ
「…は?そ、そんなわけないでしょ!」
「なに、寝ぼけてんの?」
「寝ぼけてるのはそっちでしょ!」
大きなくりくりっとした瞳。
その瞳で見つめられ、不覚にもかわいいとか思ってしまった。
「何事だ」
ガチャッと扉が開く音がして顔を覗かせたのはルイだ。
よかった、こいつをどうにかしてもらわなきゃ!
「ルイ!よかった、不審者よ!」
「…不審者?どこに」
「こいつよ!こいつ!」
私は目の前の男の子を指さす。
どこにって、見えないわけ?
「…キイ。服くらい着ろ」
「へ―い…」
ルイにそう言われたその男の子は、脱ぎ捨てられた服を着ていく。
というか、キイって?
もしかして、ルイの知り合い?
「ルイの知り合いなの?」
「…顔見知りなだけだ」
「じゃあなんで私の部屋にいるわけ?」