俺様魔王の甘い口づけ
「なにを言ってるんだ。お前が自分で連れてきたんだろう」
「…だから、なんで私が!」
さっきからわけわかんない。
私がこんな男の子連れ込むわけないじゃん。
私が一緒に寝たのは、あのお猿さんで…。
あれ?
「そう言えば、お猿さんは?」
姿が見えない。
まだ名前だって付けてないのに、逃げちゃったのかな?
「…ねぇルイ。もしかしてさ、俺たちの説明してないの?」
「さあ、どうだったかな…」
ベッドを捲ったりベッドの下を覗いて探している私の側で二人がそんな会話を交わす。
「ねえ、めーちゃん」
「ちょっと、気安く呼ばないでよ」
「とりあえず、話聞いて?まずは…昨日は助けてくれてありがとう」
「…はい?私、あなたの事助けてなんて」
「おれ、暇でさぁ。あの魔物をからかって遊んでたらついに怒らせちゃって…。いやあ、あれは死ぬかと思った」
「そんな事だろうと思った。助けて損したな」
「ちょっと、ルイ。ひどくない?」
…ちょっと待って。
話についていけない。