俺様魔王の甘い口づけ
王子登場

王子さま




キイは、あちこち魔界を旅していたらしい。
前の魔王の家来をしていたらしく、魔王がルイに変わる事を期に旅に出たんだとハンスが教えてくれた。


私はあれからずっとふて腐れている。
いくらキイが謝ってきても、心は晴れない。

だって、嫁入り前の女の子の裸を見られたんだよ?
キイは不可抗力だっていうけど、もっと早くに種明かししてくれてたらよかったと思うんだ。


本当は、人型の姿に戻るつもりはなく姿を消すつもりだったらしいけど、つい眠って寝ぼけて戻っていたんだって。





「めーちゃん。機嫌治してよ…」

「ふん」

「もう…。本当に、ごめんって」




ご飯のためにやってきた広間で何度目かの謝罪を受ける。
うるうるとさせた大きな瞳で見つめられると思わず赦してしまいそうになるけど…。
でも、確かに私も浮かれてたのは確かだし…。



「もういいよ…。忘れる。だから、キイも忘れて」

「忘れるって、めーちゃんの裸?」

「…もう!言わないで!」

「ご、ごめん!」




キイが慌てて土下座をする。
なんだか憎めない。





「キイは、ずっとここにいるの?」





思わず飼うって私が連れてきてしまったんだけど。





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