俺様魔王の甘い口づけ
「キイが余計なことを言ったらしいな」
悶々としている私のもとにやってきたルイがそう言った。
私はあいまいに笑って返した。
「あいつは口から先に生まれたような奴だからな。思ったことを何でも考えなしに口にする。正直者ではあるが、無神経な所があるのだ」
「…でも、本心なんだよね」
「まあ、そうだな」
人間が嫌いっていうのも。
その理由も、ウソはないんだ。
「ルイも、人間が嫌い?」
「…好きとか嫌いとか、考えたこともない」
「でも…」
「人間は、弱い…とは思う」
弱い。
悪魔に比べたら、確かにそうなのかもしれない。
「簡単に死んでいく。それは、確かにそうだ」
「だから、あまり関わりたくないの?」
「どうしたのだ。何をそんなに取り乱すことがある」
取り乱してなんか…。
でも、不安なんだ。