俺様魔王の甘い口づけ
「ルイさま!」
突然、慌ただしい声がする。
これは、ハンスのものだろう。
慌てたハンスは少し珍しい。
「・・・来たようだな」
「え?来た?」
ハンスの用は、ルイにはわかっていたようで一言そう言った。
ルイって、なんだか見ていなくてもなんでもお見通しみたいだ。
どういうカラクリなんだろう。
「芽衣子はここで待っておれ」
「え、なんで?来たって、誰が来たの?・・・もしかして、レオ?」
「いや、今回はもっと厄介な奴だ」
厄介な奴。
レオじゃないとしたら、いったい誰なの?
「ルイさま、行かれるので?」
「俺が行かねば納得しないだろう」
「ですが・・・」
ルイは、ハンスの横を通り過ぎ部屋を出る。
待っていろと言われたけど、私だって気になるし心配だ。
こっそり後を追う事にする。
「芽衣子さま」
「うん。でも、心配だから」
ハンスには引き止められたけど、私はそんな事気にしていられない。