俺様魔王の甘い口づけ



階段の上から一階のホールを覗き見る。
そこにルイはいた。

ルイと対峙するように立っている大勢の人。
騎士の格好をした従者を連れた、白い王子様みたいな恰好の男の人。
金髪の長い髪を一つにまとめたその人。



「貴様には用はない!我が妃を迎えに来たのだ!」

「妃?誰の事だ」

「とぼけるな!どこかに捕えているのだろう!捕らわれの姫をさっさと返したまえ!」




自信に満ち溢れたあの人はいったい誰なんだろう。
偉い人のような雰囲気はビシビシと伝わってくるけれど。




「リューク。キアヌ王国の王子さまだよ」

「え?あ、キイ・・・」

「めーちゃんの事を迎えに来たって言ってるんだ」

「え、私?」




私を迎えに来たって、どういうこと?
私、あの王子さまなんて知らないし、会った事なんてないのに。




「知らないけど、心当たりとかないの?」

「心当たり・・・?」





考えてみる。
そういえば、一度キアヌ王国に行ったときに、あの王様に言われた気がする。
王子の妃に迎え入れるとかどうとか・・・。

でも、断ったはず。



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