俺様魔王の甘い口づけ
「王子の妃にって言われたけど、私断ったよ」
「・・・断ったって、それでわかったって言われたの?」
「言われて・・・ない。私、断ってすぐ逃げたんだ」
でも、断ったのにあの人はなんで私を妃だって決めつけてるの?
あんな当たり前の事のように・・・。
「自分がほしいと思ったものは絶対に我が物にする。それが、エドワード王族だよ」
「なにそれ・・・」
勝手すぎる!
私は眉を顰め、階段下のルイたちの様子を見つめる。
「さあ、今すぐここに連れて参れ!」
「貴様はバカか。貴様の妃が誰なのか、俺が知っているわけがないだろう」
「貴様だと?いつもいつも、この俺を誰だと思っているのだ!貴様のような化け物に貴様などと言われる筋合いはないわ!」
化け物・・・。
あいつ、ルイのこと化け物扱いした。
「話にならんな。頼み方を勉強し直して戻って来い」
ルイが切り捨てるようにそう言う。
リュークは悔しそうに顔をしかめた。