俺様魔王の甘い口づけ
救いの手
なんで私は怒られたんだろう。
ルイが言われ放題だったのを指摘しただけなのに。
むすっとした表情で食事をとるルイを横目で見ながら考える。
考えたところでわからない。
「うまっ!リオン、また腕あげたなー!」
こんな時でも楽観的な声を上げるのはキイだ。
私は恨めしそうにキイを睨む。
キイはそんなことに気づいているのかいないのか、いつまでもニコニコと食事を続けている。
「俺は、出かける」
そそくさと食事を終えたルイがそう言って立ち上がると広間から出て行ってしまう。
なにあの態度。
感じ悪い。
「なんであんな怒ってるのよ、ルイの奴」
「めーちゃんが悪いよ」
きっぱりと言い切るキイに私は目を丸くさせる。
え、今なんて?