俺様魔王の甘い口づけ
「リュークさまはまだ20歳という若さだ。それに、まだ妃も迎えていない。妃を迎えてこそ、一人前とみなされるんだ。だから、今リューク様には王位を継承できる状態ではない」
「でも、もし王様が王様でいられなくなったらどうするの?そんな事、言ってられないんじゃないの?」
「・・・その時には、王の弟であるヘンリー様に王位は継承される。ヘンリー様はもうすでに妃を迎え、子もいる」
なんだ。
ちゃんと王に成り代われる人がいるんじゃない。
「ダメなんだ。そうなってしまえば、リューク様の王位継承権はなくなってしまう。ヘンリー様がその後亡くなったとしても、リューク様には王になる資格はない」
「じゃあ、誰が」
「ヘンリー様のご子息が継承することになるんだ」
王の仕組みみたいなものは、私にはよくわからないけど。
どうしても、リュークに王位を譲りたいらしい。
でも、リュークには妃がいないし、まだ若い。
だから、困った状況にあるらしい。
「でも、それを私に話してどうしたいの?」
「それは・・・」
助けてと言われても、私に病気は治せないし。
「リューク様の妃として城に来てはくれないか?」
「え?」
「若さは、どうにかなる。初めは皆まだ不慣れだ。少しずつ慣れていくことはできるだろう。そう考えれば、あと問題は妃なんだ」
「ちょっと待ってよ、だからって私によく知りもしない人と結婚しろっていうの?」
そんなの、あんまりだわ。