俺様魔王の甘い口づけ
「芽衣子なら、きっとできる!」
「無理だって、ルイがそんな事してくれるわけないよ」
「芽衣子の頼みなら、聞いてくれるんじゃないか?」
私の頼みだからって、ルイがそんなことするかしら。
確かに、私のわがままで人間の血を吸うことをやめてくれたルイだけど。
でも、だからってこんなこと・・・。
「頼むよ!王様を、助けたいんだ!頼む!」
「レオ・・・」
助けて、なんて言われたら。
ここで、無理だと突き放してしまう事は、この国の人たちを悲しませることになるのかな。
リュークと結婚するなんて考えられない。
だからって、ルイの血を・・・。
私、どうしたらいいの?
「本当に、ほんの少しだけでもいいんだ・・・」
「それで、王様は助かるの?」
「ああ。魔王の血にはそれほどの力がある」
人間の寿命も伸ばしてしまえる力があると言っていた。
それは、どれほどの力なんだろう。
王様が、不老不死とまではいかないけど、その力を得るということになるの?
でも、それで王様の病気が治るんだったら・・・。
「わかった・・・。頼んでみる」
「ほんとか?ありがとう!」
「でも、あまり期待しないで…」