俺様魔王の甘い口づけ
運よく、帰り道も魔物に出会うことなく城までたどり着いた。
息を切らせながら城の中にはいる。
「芽衣子さま!どこに行っておられたので?」
「・・・はあ、ごめん・・・。あの、ルイは?」
「ルイさまなら、先ほどお戻りになられましたけど・・・」
ハンスは息を切らせる私を心配そうに覗き込む。
私はそんなハンスに笑ってみせ、ルイのもとに急いだ。
階段を登り、ルイの部屋へ。
「ルイ!私!芽衣子!いる?」
ドアをノックしながら声をかける。
しばらくすると、ゆっくりと扉が開いた。
「どうした」
「ルイ、よかった。・・・あのね」
怖い。
ルイは、なんて言うだろう。
ふざけるなと怒るだろうか。
「お願いが、あるの」
なかなか、その先に進めない。
ルイの顔が、見れない。