俺様魔王の甘い口づけ
「なんだ」
ルイの、不機嫌そうな声が降ってくる。
私がはっきりしないからイライラしている。
「あのね・・・。ルイの血を、少しだけ分けてほしいの」
「・・・俺の、血?」
「うん・・・。あの、王様が病気なんだって。でも、今倒れたら王位が弟の方に行っちゃって・・・それで・・・。だから」
「俺の血で、救おうというのか?」
やっぱり、嫌だよね。
こんなこと、頼むんじゃなかった。
ルイを、怒らせたいわけじゃないのに。
「・・・少し、待っておれ」
「え?」
「部屋にいろ」
「・・・う、うん」
ルイにそう言われ、私は自分の部屋に戻る。
どういう事だろう。
やっぱ、怒ったのかな。
まさか、人間界に怒鳴り込みに行ったりしないよね?
キイが、捕まってるのに。
「ルイ・・・」
不安に胸が押しつぶされそうだ。