俺様魔王の甘い口づけ
しばらくして、部屋の扉がノックされた。
「はい」
ざわつく胸を押さえながら扉を開く。
その向こうにいたのは、ルイだ。
「ルイ」
「・・・持っていけ」
「え?」
渡されたのは、小さな小瓶に入った赤い液体。
もしかして・・・ルイの血?
「いいの・・・?」
「必要なんだろう。芽衣子がそうしたいなら、そうすればいい」
「ルイ・・・」
私が、助けたいって言ったから?
だから、自分の気持ちはどうであれ助けてくれようとしてるの?
どうしてそんなに優しいの・・・。
「ルイ・・・ありがとう」
胸が痛いよ。
ルイの思いが、胸に痛い。
私は、居たたまれなくなってその場を飛び出した。