俺様魔王の甘い口づけ
本当にこれでよかったのかな。
ルイの事、傷つけてしまったんじゃないかな。
私、もうルイのところに戻れないかもしれない。
レオの元に戻る間、ずっとそんなことを考えていた。
でも、あんな風に頼まれたら断れない。
それは、私が弱いだけなのかな。
「レオ、持ってきたよ」
「え!?本当に?」
レオの家に戻りそう告げると、レオは驚きを隠せず立ち上がった。
「本当に、あの魔王が血を渡したって言うのか?」
「・・・うん。ほら」
私が小さな小瓶に入ったそれを見せると、目を丸くさせる。
「本当に・・・前代未聞だ。芽衣子、君は本当にすごいよ」
「私は別に・・・」
ルイの優しさなだけで、私がすごいわけじゃない。
私は、ルイの優しさを利用してるだけだ・・・。
それに気づいた私の心は重くなる一方。