俺様魔王の甘い口づけ
「女、出て来い」
いつの間にか眠ってしまっていた私はその声で起こされた。
どれくらい時間がたったんだろう。
閉ざされたこの場所では時間がわからない。
「立って歩け」
「ちょっ・・・」
強引に腕を掴まれ立たされる。
なんでこんなに乱暴なの?
私は後ろ手で縛られ、再びあの広間に連れてこられた。
ドン、と背中を押されバランスを崩した私は床に倒れる。
手を縛られてるため手が付けられず、肩を地面に打ち付ける。
「った・・・」
もう!
なんなの、この扱い!
「お前の使用道を考えておったのだよ」
姿を現した王様が冷たい声でそう言った。
こんな人が、人間の頂点に立つ人なの?
こんな、冷たい蔑むような視線を送る人が・・・。