俺様魔王の甘い口づけ



「貴様のせいで、我が手に入るはずだった魔王の血が無駄になってしまったのだからな」

「騙して持ってこさせたくせに!」

「だとしても、持ってくることを選んだのは貴様であろう。それなのに、もったいないと思わないか。せっかくの血を有効利用しないでなんとする」




私を見下ろす王様を、睨みつける。
悔しい。
こんな奴のために・・・。




「しかし、仕方ない。こうなれば、魔王自らここに来てもらうしかない」

「は・・・?どうするつもり?」

「魔王をおびき寄せるのだ」




おびき寄せるって・・・。
私を囮にしてってこと?
そんなの、無理に決まってる。



「ルイが私を助けに来ると思ってるの?そんなわけないじゃない!」

「そんなもの、やってみなければわからんだろう。それに、来なければ貴様が死ぬだけ」

「な・・・っ!」




ルイなんかより、ずっと悪魔だ。
同じ人間のいう事なの?




「準備をせよ」




王の一言で、家来たちは武器を持ち四方に並ぶ。
もしルイがここに来たら、四方から狙われるってこと?
そんな・・・!




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