俺様魔王の甘い口づけ



「どうやってここにおびき寄せるつもり!?」

「そんなもの・・・」




王様は側にいた騎士が持っていた剣を鞘から抜き去りなにも告げぬうちにその剣を私に向かって振り下ろした。



「・・・っ!?」




ザクッと二の腕あたりを斬りつけられる。
鈍い痛みが走る。
ズキンズキン、と来る痛みと共に溢れ出す鮮血。




「貴様の血の匂いに、魔王がおびき寄せられるか・・・見ものだな」

「・・・来るわけ、ない・・・!」





きっと、これが王様の差し金だとわかってるはずだ。
わざわざそんなところに来るわけない。

例え私が死ぬことになっても。




「祈るのだな。助けに来てほしいと」

「・・・しないわよっ」




ルイが危ない目に遭うことをわかってて助けてほしいなんて願えない。
私のせいでこんなことになってしまったんだから。




私が願うのは。
どうか、ここに来ないでほしいと・・・。




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