俺様魔王の甘い口づけ
「なんか、ルイが赤い顔してどっかいってたけど、なんかあった?」
「え?ううん。なにもないよ」
ルイのために、黙っておこう。
私はほくそ笑みながら思う。
「ごめん、めーちゃん。俺がついてたのに」
「え?なんで、キイのせいじゃないよ」
「人型の姿に戻ろうと思ったんだけど、紐でくくられてたし・・・」
「ううん。私の方こそ、巻き込んでごめんね」
キイには、申し訳ないことをしたと思ってる。
それでもキイは怒った様子もなく。
「でも、珍しいルイの姿も見れたし。俺は、満足だけどね」
「珍しい?」
「聞きたい?」
え、すごく気になる。
私は身を乗り出す。
「人間に無関心のあのルイが、めーちゃんの看病をずっとしてたし。すごく心配そうに手を握ったりしてたんだよ」
「ウソ」
「それに、血が足りないってなった時、真っ先に自分の血をとか言い出すしさ」
ルイ・・・。