俺様魔王の甘い口づけ
「え、いるの?」
「ええ・・・。物知りで、少し変わり者の悪魔が・・・」
「変わり者・・・」
どんな悪魔だろう。
でも、物知りってことはいろいろ知ってるってことだよね?
「私、その人に会いに行ってくる!」
「え!?ちょっとお待ちください!いけません」
「なんで」
「一人で勝手なことをされては、私がルイさまに叱られてしまいます」
なんでよ。
なに、ハンスは私の見張り役をしているっていう事?
「ルイさまは、あの件の事をひどく思いつめておられるのです。これ以上芽衣子さまに何かあったら・・・」
「大丈夫。自分の身は自分で守るから!」
「なにが大丈夫なんですか!」
ハンスが声を荒げる。
珍しいその姿に、一瞬怯んでしまう。
「芽衣子さまも、悪魔の恐ろしさを知らないわけではないでしょう?下級である魔物すら、芽衣子さまは撃退することは叶わないのに、悪魔相手に太刀打ちできるわけがないでしょう」
「でも!」