俺様魔王の甘い口づけ



確かに、私は強くない。
殺気を持って向かってこられたら、きっと一瞬で死ぬ自信もある。




でも、だからって。
目の前にあるチャンスを無駄にしたくないの。





「私、それでも行く。ルイの事、傷つけるようなことしないから」

「芽衣子さま」

「だって、私の責任でもあるの。私が、ルイに人の血を吸ってほしくないってわがままを言ったから。それで、ルイが頑張っているなら、私も手伝いたい」





ルイが調べ上げるのを待ってるだけなんて、そんな無責任なことしたくないの。
せっかく、ルイがその気になってくれたのだから。



きっと、大きな決断だったと思う。
あるかどうかも分からない方法を探す、無謀なことをやろうとしているんだから。





「私だって、正直怖い。ルイ以外の悪魔って、キイくらいしか会った事ないし・・・。だから、凄く怖いよ」

「でしたら・・・」

「でも、・・・それでも、私は、ルイの力になりたいの。ルイが、もう誰の血も吸わなくても生きていける未来・・・。私も見てみたいから」





“血”の呪縛から逃れられるのなら。





私は、命がけでも見つけ出してみせる。




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