俺様魔王の甘い口づけ
ハンスが用意してくれた馬車。
それを操るのも悪魔だ。
それに乗り込み、いざ出陣だ。
こんな乗り物がここにあったんだ。
私のためにここまで用意してくれたハンスに感謝しなきゃ。
馬車に揺られながら、不安と恐怖と戦う。
相手は悪魔だ。
私はルイやハンスのような悪魔しか知らないけど、恐ろしい悪魔だったらどうしよう。
そんな不安ばかりが胸をよぎる。
「ルイ・・・待っててね」
私、頑張るから。
送られていく景色を眺めながら、気合を入れるようにそう呟いた。