俺様魔王の甘い口づけ
ハンスが言った通りの場所につくと、そこはお城ではなく、小さな小屋。
ここに、その悪魔は住んでいるんだろうか。
「あの・・・」
おずおずと声をかけながら扉を開いた。
中は薄暗く、誰かがいるような感じは見えない。
誰も、いないのだろうか。
そう思いながら中を覗いたその時。
「いらっしゃい」
突然、声がしたのだ。
「きゃあっ!?」
びっくりして声を上げる。
目の前には、坊主頭の男。
目が閉じられているのに、なぜだかまっすぐ見られているような感覚に陥る。
「あ、あの・・・」
その不気味な感覚に耐えられなくなった私はそう声をかける。