俺様魔王の甘い口づけ
「ありがとう。この薬を使える人、探してみる」
「ふふっ、そなたは少し鈍いようだな」
「鈍い?何の話?」
「いや、・・・まあ、早く気付くことを願っているよ」
リリーは意味深に笑うと、立ち上がる。
そして、私を見送ってくれるつもりなのか、歩き出した。
私もそれについて行く。
「芽衣子、そなたにこれをあげよう」
「・・・?なに?これ・・・」
カプセル状の薬のようなもの。
「この先、命の危険に晒された時。一度だけこれを飲んだものの命を救うことができる」
「生き返るということ?」
「そう。ここぞという時に使うのよ。一度使ってしまうと、二度と生き返ることはできないからね」
「うん・・・」
リリーからもらった薬をしまう。
私は、リリーにお礼を言って頭を下げた。