俺様魔王の甘い口づけ
「じゃあ、気を付けて」
「ありがとう、リリー」
「礼には及ばない。契約と言っただろう?芽衣子の心臓は、私のモノになる」
「うん」
リリーは、再びフードを深くかぶる。
表情は、また見えなくなった。
「芽衣子、そなたはそなたらしく。そなたの思うとおりに生きるんだ」
「・・・?うん」
「なににも、心乱されず、自分が信じた物を信じ続ける。例えこれから先何が起ころうと、どんな決断を迫られようと。自分を見失ってはいけないよ」
リリーが何を伝えようとしてくれているのか。
今の私にはわからない。
それでも、私はこのリリーの言葉を忘れずに行こうと思った。
「ありがとう、リリー」
私は、リリーに別れを告げ歩き出す。