俺様魔王の甘い口づけ
「そうか・・・。あまり、勝手に出歩くな」
「・・・ごめん」
「それに、俺の事は放っておけ。呪いも、芽衣子が気にすることじゃない」
ルイは私の身体を離すと、まっすぐ見据えてそう言った。
わかってるよ。
私を、守ろうとしてくれてるんだよね?
不器用な優しさ。
ルイが、本当は優しいって私、知っているから。
ルイは、変わったと、ハンスやみんなは言うけれど。
本当は、変わったんじゃないんじゃないかな。
本当のルイが、こっちだったんじゃないかな。
魔王の宿命とか、儀式とか、呪いとか。
そのせいで、いろいろと呪縛に苦しんでいただけなんじゃないかな。
今までの魔王と同じようにと頑張っていただけで。
そうして、固い鎧を身に纏って、人間に嫌われることも、孤独なことも、乗り越えて来たんじゃないかな。
なんとなく、そう思ったんだ。