俺様魔王の甘い口づけ



「帰ろう」

「・・・ああ」





ルイに笑いかけると、少し素っ気なくそう答えた。
だって、ほら。
こうして私を迎えに来てくれるんだもん。



私の事を、心配してくれるんだもん。




そんな人が、優しくないわけないじゃない。





「ハンスには、厳しく言っておいた」

「・・・え!?」

「お前をそそのかして送り出したのだろう」

「なに言ってるの!違うよ!」





ルイの言葉に、慌てる。
厳しくって、なにを言ったの?





「違うとは何が違うのだ。ハンスは、自分が城から出れないために、お前だけをこのような危険なことを一人でやらせたんだろう」

「バカ!違うわよ!」




もう、なに勘違いしてるのよ!
なんでも知っているのかと思ったら、なんでそんなことわかってないの!




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