俺様魔王の甘い口づけ


「あ、あ、あんた!!あたしの血、吸ったわね!?」




首元に走った痛みは、やっぱり血を吸われてたんだ…。
最低だ。
早く引き離してよかった…。


一歩間違えば…。
再びあの場面が蘇る。
身体が、震える。




「この俺様にそんな態度をした人間は初めてだ」

「は…?なに言ってんの、当然でしょ!こんなことされて、黙ってるわけないじゃない!」




バカなの?
誰がホイホイ殺されるもんですか。

そ、そりゃあ、ひっぱたいてしまった瞬間、死が頭をよぎったけど。
でも、すぐに殺されるわけじゃなさそう…?




「面白い。貴様がなぜここにいるのかは、目を瞑ってやる」

「え?てか、ここどこなの…」

「お前は、やはりバカなのだな」

「はあ?」




こいつ、むかつく!
冷酷魔王は、口元の血を拭いながら立ち上がる。



「俺様がいるということは、俺様の部屋に決まっておろうが」




…はあああ!?




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