俺様魔王の甘い口づけ
「ハンス・・・。もう、いいよ。わかったから」
「芽衣子さま・・・」
「私、知ってるよ。ハンスが、ルイの事本当に思ってるってことは」
「・・・私は・・・」
「だから、いいの。ハンスは、ハンスができることをしたんだから。ハンスは、私に道標をくれた。それで十分だよ」
それだって、ハンスがルイを想っての事だと思うから。
ルイを助けたい。
ハンスの中に、確実にあるその思い。
だから、私に教えてくれたんだよね。
自分は諦めてしまっているけれど。
でも、それでももしも。
そのもしもに賭けて、教えてくれたんだよね。
「ハンスの気持ち、わかってるから」
「芽衣子さま・・・。すみません・・・、すみません・・・」
頭を下げ、何度も何度も謝る。
その姿に、私も涙ぐむ。
こんなにも思われてる。
ルイ、わかってる?
あなたはこんなにも愛されてる。