俺様魔王の甘い口づけ
「ハンス。ルイの呪い、解けるかもしれないの」
「え?」
「ルイには、秘密にしてほしいの。まだ、確実になってからがいいから。それに、いろいろ心配かけたくないから」
「方法が・・・わかったのですか?」
顔をあげたハンスが驚いたように目を見開く。
私はそれににっこり笑って答えた。
「でも、簡単じゃないかもしれない。確かなものではないから」
愛なんて、目に見えない。
本当に愛しているかなんて。
実際は、誰にもわからないのかもしれない。
だから、ある意味賭けになるのかもしれない。
「そうですか・・・。ですが、方法はあるのですね」
「うん。だから、ハンスのおかげだよ」
励ますようにそう言うと、ようやくハンスの笑顔が見られた。
それが嬉しくて、私も笑顔になる。
ハンスにも、契約の事は黙っておこう。
リリーの事も。