俺様魔王の甘い口づけ



「誤魔化すな。そのしるしには、見覚えがあるんだ」

「え・・・」

「書物でだが・・・。魔術師が使う、契約のしるし。それに似ている」





ドキリと胸が鳴る。
ルイは、このしるしを知ってる。
そんなの、誤魔化すなんてできないじゃないか。




私は、目を泳がせる。




どうにかごまかす言葉を探しながら。




「・・・似てるだけじゃないの?」

「本当に、そうなのか?似てるだけなのか?」

「そ、そうだよ。だって、会えなかったって言ったじゃん」




お願い。
もう、諦めて。


ルイには関係ないから。
私の命がどうなろうと。
関係ないんだから。



私が勝手にしたこと。
私だって、なんでこんなことしてるのかわからない。





< 278 / 425 >

この作品をシェア

pagetop